The Future Of Perl5 の和訳
以下、"The Future Of Perl5" という、Andy Lester氏による Jesse Vicent氏のOSCON 2011での発表内容のまとめです。Perl5 の今後のロードマップがおぼろげに見えてくる良いエントリーだと思いましたので、和訳・意訳しました。
(ここから)
Perl5の開発リード(pumpking)のJesse Vincent氏が今年のOSCONで"Perl 5.16とそれから"という、Perl5 の未来の道筋を解説するプレゼンテーションを行いました。このスライドはslideshareにあがっており、皆さんも是非一読してみることをおすすめします。私はPerl5開発者メーリングリストである perl5-portersをもう数年購読していませんが、このプレゼンテーションは Perl5 をレガシーな環境でも使い続けられるようにしつつ、技術的な革新を行っていくためにどのような試行錯誤が開発者達によって行われてきたのかを改めて浮き彫りにしてくれる素晴らしい資料だと思います。
なお、Pumpkingは厳密には開発リードというか、あちこちの開発者達の意見をまとめる裁定者のような役目を担います。またJesse以前はPumpkingとはPerlのリリース自体の責任を負う人でしたが、リリースプロセスは現在は役目としては別となりコミュニティのより幅広い層の人達が参加できるように改訂されています。
スライド内容のハイライトは以下の通り:
Perl5はある一定の変更がなされたらリリースされるのではなく、定期的にリリースが行われる時限リリース方式に変わった。
マイナーバージョンが奇数の場合は開発版(例:5.13.x)、偶数の場合は安定版(例: 5.14.x)、というポリシーは以前と同じく続けられる
現在の安定版は Perl 5.14.1 だが、 5.12.4も5.15.0 もちゃんとリリースされている
以前(注釈:Perl 5.12.x以前の話だと思われる)はPerlをリリースするための作業はpumpkingが一人で行って3週間もかかっていた。今は全てがドキュメント化され、数時間で終えられるプロセスとなっている。リリースはボランティアベースで何人のメンテナが順番にその責任を負うようになった。Larry (注:Perlの作者であるLarry Wall氏)曰く「Pumpkingが英雄である必要があった時代は終わった」。
Perl5 の開発・リリースが一段と加速するようになり、今度は逆に間違いを犯した場合にその状態から回復する方法も必要となっていくだろう
Perl5 はいまよりさらに有効なデフォルト値・動作を有効に変更されるべきである。なおデフォルト値とは以下のような動作の制御も行う物も含め想定している(注釈:use strictのように、プラグマやスイッチでデフォルト
- 警告(warnings)を有効にする
- autodieに準ずる動作を有効にする
- 失敗の戻り値を返すのではなく、例外を使用するようにする
- 引数が1個と2個のopen()を無効にする
- Latin-1への自動変換を無効にする
- UTF-8への自動変換を有効にする
- 基本的なオブジェクト・メソッドを有効にする
- 間接的オブジェクト構文を無効にする
Perl5 は全ての環境で動くように進化するべきである。全てのOS、全てのブラウザ、全ての電話端末がターゲットである
Perl5 コアへの変更は古いコードをちゃんとサポートするべきである。Perl5プログラマー達にPerl5本体の変更から自分を守るための防御的なコーディングを強いる事はしない(注釈:Perl5は基本的にこれまでも後方互換性に相当気をつけて来た数少ない言語です)
Perl5ランタイムはスリム化されるべきである。古くからあるいくつかのモジュールはコアから切り離され、CPANへと移動されている。これらは非推奨化されているのではなく、あくまでコアとは別物にされているだけである。
また、このようにスリム化されたPerlと、それら全てのモジュールがバンドル化されたPerlの二つのバージョンをリリースするようにするべきである
テストスイートは言語本体、バグ修正、そして実装検証の種類に分類されるべきである。
これらの事をなるたけ早くもたらすためにあなたができる事のひとつはPerl5 コアのメンテナンスファンドに寄付することですので、是非ご検討ください
私は個人的にはこのトークを見る事ができなかったので動画があれば是非見たいと考えています。
最後になりましたが、Perl5をこのように素晴らしい物にしてくれているJesseとp5pの皆さんに惜しみない賛辞を送りたいと思います。
YAPC::Asia 2011 スピーカー募集のお知らせ (Call For Papers)
YAPC::Asia Tokyo 2011
(書評)Perl CPAN モジュールガイドブック
「わかりやすいPerlコードとして最低限のラインを引き,多くのケアレスミスを防ぐことができます」
「多彩な各ジャンルからおすすめのモジュールを1つ選び」
「本書のプログラムを含むすべての内容は,著作権上の保護を受けています.著者,発行人の許諾を受けずに,無断で複写,複製することは禁じられています.」
「本書は読者の仕事の実現を手助けするためのものです.一般に,本書のコードを読者のプログラムやドキュメントで使用できます.コードの大分を複製しない限り,O'Reillyの許可を得る必要はありません.例えば...」
東日本大震災義援金について
JPA企業会員各位お世話になります、JPA 牧です今回の東日本大震災により被害を受けられた皆さまに、謹んでお見舞い申し上げます。 金曜日に発生した地震により甚大な被害を受けられている状況を踏まえまして、 JPA理事会として以下の決定をいたしましたのでお知らせいたします。 すでに作業の発注を行っていましたが、これを受注先のご厚意によりキャンセルし この作業全体にかかる予定であった40万円の予算を所定の団体に義援金として 全額寄付することにいたしました。団体の選定に関しては日本赤十字社を予定しておりますが、現時点では 口座開設がされていないようですので、こちらが開設され次第送金をする予定です。 皆様のご理解と御協力のほど何卒よろしくお願い致します。
【Oct . 13, 14, 15】Announcing YAPC::Asia Tokyo 2011 "Evolution"
( English announcement follows Japanese )
こんにちは、櫛井です。
去年に引き続き、YAPC::Asiaを担当させていただくことになりました。
周到に仕組まれた罠により、気付いたらイベントをやることになった
前回とは違い、JPAの理事会に呼ばれたと思ったら
「次回のYAPC::Asiaの草案よろぴく」とカジュアルに言われたので
今年も頑張ろうと思います。皆様の協力あってのYAPC::Asiaです。
宜しくお願いいたします。
■テーマと方向性について
今回のテーマは「Evolution」、Perlの先端を行く人をメインにすえたいと
考えています。現在交渉中です。
前回好評だった投票システムも進化させたいと思ってます。
また、去年は初めてだったので出来ませんでしたが今年はちょっと
余裕も出来そうなのでスポンサー企業のアピールが出来る場などを充実させ
Perlエンジニアを採用したい企業と、新たな自分の可能性を模索している
エンジニアとが話せる場所を提供したいなと思っています。
■YAPC::Asiaも進化します
さて、今年のYAPC::Asiaですが、去年の反省点をみっちりと洗い出し
更なる満足度向上のため施策を行う予定でおります。具体的には
以下のようなものを今のところ考えています。
・公式サイトのUI等の見直し
・公式サイトからの素材提供(ロゴ、スライドテンプレ等)
・ランチタイムをリジェクトしない
・懇親会のスピーカー参加費用見直し
・タイムテーブル変更のアナウンス方法の周知(Twitterで一本化)
・英訳についての対応を見直し
・参加者同士の交流をしやすくする何か(名札?飲み会でのしかけ?)
・スピーカーともっと話すキッカケを用意できないか
・投票方法をグレードアップ
・トーク内容のジャンル分けと英語対応の有無を明記
他にもこまごまと考えていますが、これからです。
■会場と日程
さて、会場ですが昨年と同じく東工大をお借りすることがほぼ
決まりました。いつもありがとうございます。
日程ですが、土曜を含めた日程の評判がよかったので今年も
最終日が土曜となるようにセッティングしました。
10月13日(木) 前夜祭(予定)
10月14日(金) 一日目
10月15日(土) 二日目
計三日間です。
今年は他のイベントとかぶらない事を祈ります。
(こればっかりは調整できないので)
「10/13-15のYAPC::Asiaに参加しよーっと!」などのTweetをして
いただけると、うまいこと他のイベント運営の方にも目が止まるかと
思いますので皆様是非宜しくお願いいたします。
というわけで、YAPC::Asia 2011を宜しくお願いします!
ボランティアスタッフ、スポンサードいただける企業様など
改めて告知させていただきますね。
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YAPC::Asia Tokyo 2011 is coming again!
■ Theme of the conference
"Evolution" is this year's theme, and we're planning on featuring people
who are on the cutting edge of Perl.
The voting system was a great success, and we'll make it even better than last year.
One thing we'd like to improve this year is the opportunity for our sponsors to
appeal their presence. For example, we'd like to provide a chance for
sponsors who are looking for good perl programmers and programmers looking
for new opportunities to meetup during the conference.
■ YAPC::Asia is Evolving, too!
We're going to build on last year's feedback and make this conference an
even better experience for all. Some random things that we're planning to tackle:
・Make a better site
・Provide resources such as logos and slide themes for general use
・We won't reject lunch time (promise!)
・Better accommodation for speakers (e.g. conference social fee)
・Announcement scheme for important events (twitter only)
・General non-Japanese support
・Make it a bit easier for attendees to socialize
・Think of ways to provide more opportunities for speakers and attendees to mingle
・Revamp the talk vote
・Include talk genre and language
There are other things in planning too, but we're still working out the details
■Venue and Schedule
The venue is most likely going to be same as the previous years, Titech Univ, Tokyo.
Many thanks for their help.
Last year was the first time we included the weekend as one of the dates,
so we'll keep it for this year as well:
10/13 (Thursday) - pre-YAPC mini conference / Rejectcon (maybe)
10/14 (Friday) - first day
10/15 (Staurday) - second day
We've already had various inquiries, but hopefully no other events are going to be
on the same date. As much as we'd like to avoid it, there's only so much we can do
about the availability of the venue.
It maybe a helpful to tweet (or post in facebook) that you're "Planning on going to YAPC::Asia Tokyo during 10/13-10/15", so organizers for other conferences notice it :)
That's about it for now.
Volunteer staff, sponsors, and guest speakers will be announced in the near future.
Stay tuned!