(書評)Perl CPAN モジュールガイドブック

今回読んだ本:Perl CPANモジュールガイドブック
2011年4月6日初版第1刷発行
著者:冨田尚樹
発行人:村上徹
編集人:岡本淳
編集:大内孝子
カバーデザイン:タナカユカリ
本文デザイン・DTP:ケイズプロダクション
発行・発売:株式会社ワークスコーポレーション
 
評価:読むべし
 
よかったと思う点
一読した感想は,「よくここまで調べたな」というものでした.厳選とはいっても150項目もあるモジュールの解説をするなんて大変なことです.それも,Linux CentOS 5.3,MacOSX 10.6.6,Windows XPでの動作確認を行っています.選択しているモジュールも,今使って古くさくもなく,かつ新しすぎて使うのが怖いということもありません.「はじめに」を読むと初心者向けとありますが,初心者に限らずPerlを使っている人ならば一読する価値があります.ただ,文法についての説明はありませんので,初心者の方は「初めてのPerl 」などを先にお読みになることをお勧めします.
 
いまいちだと思った点
欲をいうと工夫する余地が3点あると思います.
まず,取り上げたモジュールにはそれぞれ1行解説がついています.例えば最初に紹介ししているstrict/warningsでは
「わかりやすいPerlコードとして最低限のラインを引き,多くのケアレスミスを防ぐことができます」
とあります.この紹介はとても有用だと思うので,目次にも記載して欲しかったです.そうすれば,読者が何かやりたいことがあったとき,目次だけでそれを探すことができると思います. ちなみに,どんなモジュールを紹介しているかは出版社のページで見ることができます.
次に,「はじめに」には
「多彩な各ジャンルからおすすめのモジュールを1つ選び」
とあるのですがここで言う「ジャンル」が何を指しているのかわかりませんでした.例えば1章の「ユーティリティ」ではstrict/warnings, constant, autodie, Try::Tiny, Scope::Guardというモジュールを紹介しているのですが,それぞれが属すジャンルが何だかわかりませんでした.何となく,「はじめに」の修正ミスのような気が...
最後に,2ページ目の末尾には
「本書のプログラムを含むすべての内容は,著作権上の保護を受けています.著者,発行人の許諾を受けずに,無断で複写,複製することは禁じられています.」
とあります.出版社のデフォルト文言だと思うのですが,ここは少し工夫して書いてほしかったです.例えばちょうど手元にあったO'REILLYのJavaScriptパターンという本では,「コード例の使用」という節で,
「本書は読者の仕事の実現を手助けするためのものです.一般に,本書のコードを読者のプログラムやドキュメントで使用できます.コードの大分を複製しない限り,O'Reillyの許可を得る必要はありません.例えば...」
となっています.この本をネタにしてブログにコードを書いたりすることが問題ないような記載になって欲しいと思います.
 
おまけ.ホームズとかstar trekとか古典のネタはいいとして,イカ娘は数年後にこの本を読む人はなんだかわからないだろうなー,と.ゴーカイジャーは歴史として記憶に残っていると思うけど.